熟年離婚するためには、どんな準備が必要ですか?
熟年離婚においても第一に考えるべきはお金の準備ですが、若年層の離婚と大きく違うのは、加齢にともなう問題についても考えなければならないことです。 特に面倒を見てくれる親族が近所にいない場合、健康状態も加味してしっかり離婚後の生活について考える必要があります。

やっておきたい熟年離婚の準備 後悔しない離婚のススメ


現在の平均初婚年齢は30歳前後です。


そこから90歳まで生きると仮定すると、結婚した相手と60年一緒にいるということになります。


同じ人と60年一緒に何事もなく平和に過ごすことって、可能でしょうか?

かなり難しいでしょう。

最初はパートナーとしてつつがなく生活できていたとしても、子供が巣立つころに、そろそろ別の、第二の人生を歩みたい、と離婚を決意する人もいます。


また、夫が定年退職するあたりになって、このまま夫婦ふたりで同じ空間にずっといるのは苦痛だと感じ、離婚を考え始める人もいます。


どういったケースにせよ、年老いてから離婚するということは近年、まったく珍しいことではありません。
自分は一生連れ添いたいと思っていても、相手からいきなり熟年離婚を言い渡されてしまうケースもあります。


今回は、熟年離婚が視野に入ってきた方むけに、熟年離婚を円滑に進めるためにどういった準備をする必要があるか、を解説していきます。


熟年離婚の準備:お金編


熟年離婚でまず考えるべきことは、お金のことです。
先立つものがなければ平和に暮らしていくことはできません。まずはお金のことを第一に考えましょう。


1 財産分与の対象を明確にしておく

財産分与をしっかりおこなうためには、まずは夫婦の共有財産を洗い出しておく必要があります。


夫婦の共有財産というと、婚姻期間中にふたりで築き上げた財産のことです。


たとえば、ひとりが専業主婦(夫)でもうひとりが外で働いて収入を得ていた、と言う場合、稼いでいた人の方の収入は、二人のお金、ということになります。


ただし、結婚前にためていた財産については財産分与の対象にはなりません。どの財産が財産分与の対象になって、どれがならないのか、などについては、しっかりとリスト化して整理しておきましょう。


2 離婚後の職を確保しておく、もしくは確保するための準備をしておく

現在、家事を主に行っていて収入がない、と言う場合には、どうにかして収入源を確保しておいた方がいいでしょう。


離婚後の仕事の確保は、収入の面でもとても大切ですし、社会から孤立しないためにも大切です。
長らく働いておらず、どういった仕事ができるか不安な場合は、まずはハローワークなどに相談してみましょう。


また、ネットなどを活用して仕事さがしをしてみたり、知人に仕事がないか聞いてみたりしましょう。


仕事を探していることを周囲に伝えておくことで、思わぬ筋から仕事を紹介してもらえる可能性もあります。


3 貯蓄しておく

貯金をしっかりとしておきましょう。


老後は、収入が増えることはあまりなく、減っていくことが多いものです。
体調不良で働けなくなる場合もありますし、定年を迎える場合もあります。

人生100年時代と言われる現代ですから、100歳まで不自由なく暮らせるように貯蓄があるのが理想ですが、そこまで余裕をもって貯められる人は稀でしょう。


多くの人は、貯蓄と並行して、生涯続けられるような仕事を探しておく必要がありそうです。


4 年金分割でどの程度年金が得られるか計算しておく

厚生年金や共済年金の年金記録も夫婦共有の財産ということで、離婚の際には年金分割して年金受給資格を分け合う事ができます。


ただし、年金分割できる条件や期限があるので、事前にしっかり確認し、年金分割でどの程度年金が得られるかを計算しておくなど、離婚後の収入口のひとつとして具体的に調べておきましょう。


自分で調べるのが難しいと感じる場合は弁護士に相談するのも手です。


熟年離婚の準備:生活編


次に、生活の面でどういった準備が必要かをみていきましょう。


1 住まいを確保しておく

離婚するとなると、通常別居することになります。


どこに住むのか、家賃はいくらか、など、住まいについて下調べしておきましょう。


子供のところに一緒に住もうと考えている場合は、早いうちからしっかりと子供に相談しておきましょう。

2 住まいから医療機関、日常的な買い物先などの交通手段を確認しておく

家を選ぶ際には、子供たちが暮らしている所との距離や、医療機関、日常的な買い物先への交通手段などをしっかり確認しておきましょう。


病院通いが日常になっている場合には、病院からアクセスがいい場所を選びましょう。


3 離婚後お世話になる人へ根回ししておく

離婚後お世話になる人へは、事前に事情を説明しておくなど、根回しをしておきましょう。


若いうちの離婚とは違って歳をとってからの離婚で独り身になると、お金の面だけではないさまざまな不安要素が出てきます。


あらかじめ、今後独り身になるということを周囲に知っておいてもらうことも大切です。


4 日常生活に必要な家事を会得しておく

これまで家事を相手に任せてきた人は、少しずつでもいいので家事の練習をしておきましょう。


離婚して独りの生活を始めてみたら、家のことが何もできなくて困ってしまうという人は少なくありません。
洗濯、簡単な炊事、掃除など最低限の家事は身につけておいたほうが良いです。



老後のメンタル維持編


最後に、メンタル面についての準備についても確認しておきましょう。

1 生きがいや、やりたいことを見つけておく

自ら望んで熟年離婚する場合であっても、いざ独りになると心にぽっかり穴が空いたようになってしまう人も少なくありません。

ジムに通う、カルチャーセンターに通う、などして趣味を広げやりたいことを見つけておくと、離婚後の独身生活にハリが生まれるでしょう


2 友人と楽しみの予定を立てておく

友人との旅行の予定を立てておくなど、熟年離婚後の楽しみを見つけておきましょう。


特に、結婚している間はやりたくてもできなかったことがある場合は、離婚後はそれをやるチャンスです。
気心知れた友人との楽しみな予定があれば、離婚準備も前向きに進められるでしょう。


さいごに

熟年離婚は、ネガティブなイメージがあるかもしれませんが、新たな旅立ちであり、自由への第一歩でもあります。準備をしっかりして、余生を楽しみましょう。


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