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▼ 協議離婚

協議離婚とは

協議上の離婚をする場合には、離婚について同意をしていれば足り、なんら理由は必要ありません。夫婦間で離婚の話合いがまとまれば、離婚届を役所に提出することで離婚が成立します。

時間や費用が節約できるもっとも簡単な離婚方法です。約90%がこの方法です。残りの10%は、調停離婚が9%、裁判離婚が1%となっています。この割合はここ30年ほとんど変わっていません。

協議離婚の場合、簡単な方法である為、財産分与や養育費など、離婚時に決めておいたほうがよいことを決めないまま安易に離婚してしまいがちな側面があります。その為離婚後のトラブルを招きやすくなります。

離婚で生じるであろうさまざまな問題を検討し、話合いの段階で問題をひとつひとつ解決するように心がけるべきです。

離婚を急ぐあまりに、急いで手続きを進めてしまうことは避けたほうが賢明です。十分な準備をして納得したうえで離婚届を提出することが重要です。

浮気や暴力など法律上の離婚原因がある場合であっても、相手が離婚に応じない限り協議離婚することはできません。

離婚前に決めておいたほうがよい問題

養育費、財産分与、慰謝料、親権者・監護者、面接交渉、婚姻費用の問題は離婚の成立そのものとは関係ありませんが、離婚に際し取り決めをしておくべきです。

特に養育費、財産分与、慰謝料については、誰が、いくら、いつまでに、どのようにして支払うのかを決める必要があります。

離婚したい一心から、離婚届にハンコさえもらえればいいといったような態度は危険です。

離婚に関する取り決めは書面で

【関連ページ】離婚協議書
【関連ページ】公正証書の作り方
【関連ページ】強制執行

協議によって離婚が成立した場合、当事者間で話し合って取り決めたことは、離婚協議書などの合意文書として書面にして残しておきましょう。

個人の合意文書だけでは法的な強制執行力はないので、合意内容を強制執行認諾文付きの公正証書にしておきましょう。

公正証書は、当事者が公正役場に行き、契約内容を示して公証人に作成してもらう公的な証書のことです。証拠力が強く、また証書の条項に執行認諾約款といって、本契約に違反した場合には強制執行をされても異議を申し立てない、という文言があれば訴訟をすることなく、強制執行ができます。

親権者を決めないと離婚できない

協議離婚の場合、法律上、離婚時に決めなければならないことは、未成年の子どもがいる場合に、どちらが親権者になるかということだけです。どちらが親権者になるか決めて、離婚届出用紙の欄に記載して提出します。

複数の子どもがいる場合には、それぞれの子どもごとに、どちらが親権者になるかを決めて、全員の氏名を記載します。

早く離婚をしたいからといって、とりあえずどちらかを親権者として記入しておいて、離婚後に再度親権者を決めようというような考えは決してよくありません。後で親権者を変更するには家庭裁判所の調停が必要になりますし、そう簡単に変更できるものではありません。

※親権者の欄を空白にしたまま相手に離婚届を渡して届出を任せてしまうと、相手が勝手に自分を親権者と書き込んで届けてしまうことがありますので、注意する必要があります。

手続きのしかた
  1. まず市区町村役場の戸籍課に離婚届を取りにいきます。
  2. 離婚届出用紙に夫婦双方および証人として成人2名の各署名、捺印をします。
  3. 未成年の子供がいる場合、親権者を決めて離婚届出用紙に記載する必要があります。
    親権者欄が白紙の時は受理されません。
  4. 提出するのは、離婚する夫婦の本籍地または住所地の市区町村役場です。夫婦が外国にいる場合は、その国駐在の日本の大使、又は領事です。届け出は本籍地の役所に提出するなら一通、他の役所の場合は二通または三通となっていて、本籍地以外の役所に提出するときは、戸籍謄本一通を添付して出します。現在では、離婚届は1通で足るという取扱いをする役所がふえていますので、届出地の役所で確認するようにします。離婚届の提出は、離婚する本人が行かなくても受理されます。
  5. 役所への提出は、持参でも、郵送でも可能です。

婚姻前の氏にもどる者の本籍欄

離婚をすると、戸籍筆頭者はそのまま戸籍に残りますが、他方は戸籍からでることになります。そこで、婚姻前の氏にもどる者の本籍欄に、もとの戸籍に戻るか、新しい戸籍を作るかを選択し、もどる本籍地がどこになるのか記載します。

※旧戸籍が除籍になって残っていないという場合にはもとの戸籍には戻れません。

※離婚届には婚姻前の氏にもどる者となっていますが、必ず婚姻前の氏に戻らなければならないわけではありません。婚姻中の氏を称することもできます。離婚により婚姻前の氏に復した妻または夫が、婚姻中の氏を引き続いて名のりたいのであれば、離婚をした日から3ヶ月以内にあるいは離婚届と同時に離婚の際に称していた氏を称する届を市区長村役場に出します。離婚届と同時に提出する場合、離婚届の「婚姻前の氏にもどる者の本籍欄」は記入する必要はありません。

【関連ページ】離婚後の戸籍と氏

◎届出人の署名押印

離婚届の著名と押印は、離婚しようとする夫、妻のそれぞれ本人が行わなければなりません。

◎証人

成人の証人2人以上を必要とします。証人の資格制限はありません。証人2人の著名と押印も本人がしなければなりません。

※その他の欄は、誰が書いても内容が事実に合致していれば差し支えありません。

届出を委託された人が届け出る前に夫婦のどちらかが死亡すると、婚姻中に死亡したことになり、離婚の効力は生じなくなります。届出人が生存中に郵送した届出は死亡後でも受理され、死亡の時に届出があったものと見なされます。

このように協議離婚は、夫婦が離婚に合意さえすれば成立し、費用は戸籍謄本の手数料のみです。

離婚の効力はいつ発生するのか

離婚届を市区町村の戸籍係に提出すると「受付」てくれます。市区町村長が届出を適法なものと判断して、離婚届の受付を認容する行政処分が「受理」です。受理によって届出としての効力が発生します。離婚の成立した日(戸籍に記載される日)は受理された日ではなく、受付の日にさかのぼります。

離婚届を受理されたくない場合

協議離婚の場合、離婚届の印鑑は三文判でいいし、印鑑証明も不要、本人の筆跡かどうかも調査されません。書式さえ整っていれば受理されるため、配偶者の同意を得ることなく、勝手に離婚届を出すケースも出てきます。また、大喧嘩の勢いで署名捺印して相手に渡してしまったが取りやめたいとか、条件の話し合いもつかないうちに押し切られて判を押してしまいそうな不安がある時は、市区町村役場の戸籍係に不受理申出書を提出しておきます。

年間20万件以上もある協議離婚のうち、2万件以上について不受理の申出がなされているのが実態です。

離婚届にサインした後に気持ちが変わった場合

いったん離婚を決意しても離婚届を戸籍係に提出する前であれば、離婚意思は撤回できます。離婚が有効に成立するためには、届出をする際にも離婚意思がなければならないとされているからです。離婚届に署名押印をした後に気持ちが変わった場合、市区町村役場の戸籍係に不受理申出書を提出しておけば、離婚届を受理されずに済みます。

不受理の申立てをする前に離婚届が提出されてしまった場合でも、届出前に離婚する意思がなくなったならば、離婚は無効となります。しかし、離婚した旨が戸籍に記載されてしまうと、これを訂正してもらうためには、離婚無効の確認を求める裁判手続をとらざるをえなくなります。無効の確認にあたっては、客観的に翻意していたことを証明しなければなりません。具体的な方法としては、その日のうちに内容証明郵便を出しておく、第三者に間に入ってもらって翻意の意思を伝えるなどの方法を講じて証拠としておいたほうがいいでしょう。

離婚不受理申出

市区町村役場の戸籍係で不受理申出書(ふじゅりもうしでしょ)の用紙をもらい、必要事項を記入して、提出します。手数料は不要です。本籍地の役所に出せば、別の役所からまわる間に、受理されてしまう危険を防げます。有効期限は6ヶ月なので、心配がある場合は何度でも提出します。

※不受理申出書、取下書は、市区町村役場の戸籍係に常設されています。

★不受理の申出をすることができるのは、離婚届の届出人である夫婦の一方です。

★申出書は、原則として自分の本籍地の市区町村役場に提出します。申出書が非本籍地の市区町村役場に提出された場合、受け付けた役場が本籍地は送付します。そのため、送付されている間に、離婚届が受理されてしまうことがあります。

※不受理申出書を本籍地でない住所地の市区町村役場に提出した場合、不受理の申出書が本籍地に送付されるまでの間に、相手方が本籍地に離婚届を出したため戸籍に記載された場合には、職権で抹消してくれます。

★不受理が不要になった場合、不受理申出期間中なら届出人が不受理申出取下書を提出します(申出をした申出人が、必ず自分で署名押印した取下書を出さなければなりません)。

自分の意志に反して離婚届が出された場合(離婚の無効)

離婚意思は離婚届を提出するときに存在することが必要です。一旦離婚届を作成しても、離婚する気持ちがなくなれば、離婚届を提出するときには離婚意思が存在しませんので、離婚は法律上無効です。夫婦の一方または双方に離婚の意思がない場合には、たとえ離婚届が出されていても離婚は無効となります。離婚が無効であることを明らかにするには、裁判所で離婚が無効であることを確認してもらわなければなりませんので次のような手続きが必要です。

▼家庭裁判所に協議離婚無効確認の調停を申し立てます。
離婚の無効確認も、離婚と同様に家庭内に原因する紛争で、家事事件として取り扱われます。したがって家事事件はまず家庭裁判所に調停の申立てをしなければならないことになっています(調停前置主義)。

まず、調停を提起するのですが、離婚無効については双方の合意のほかに合意に相当する審判が必要になります。当事者の合意がない限り、合意に相当する審判は出されません。相手が非を認め、離婚無効の原因について争いがなければ、合意に相当する審判をします。

※管轄:相手の住所地、または当事者が合意で定める家庭裁判所
※添付書類:申立人と相手方の戸籍謄本、離婚届の謄本

▼地方裁判所に離婚無効の訴訟の訴えを提起
審判後2週間以内に、審判に対して異議の申立てがあると、審判は無効となります。そのような場合や調停不成立の場合には、配偶者の住所地の地方裁判所に「離婚無効の訴訟」の訴えを提起して、離婚の無効を確認してもらいます。

▼戸籍への記載
離婚無効の審判または裁判が確定したら、1ヶ月以内に審判または判決の謄本を付して、戸籍の記載の訂正を戸籍係に申請します。

※離婚の無効は、利害関係のある者なら誰でも主張できます。期間の制限もありません。

詐欺や強迫により離婚届が出された場合(離婚の取消し)

詐欺または強迫による離婚は、取り消すことができます。取消しがあって初めて離婚の効力が生じなかったことになります。

※詐欺を発見し、または強迫を免れた時から3ヶ月を経過したときは取消権は消滅します。
※離婚取消しの手続きは離婚無効の場合とほぼ同様ですが、第三者に取消権がなく、当事者にはなれません。

無効な離婚の追認

離婚届が出されたことを知ってから、金員を支払えと請求して受領したというような場合には、それが慰謝料、財産分与のような離婚を前提とした金員交付であったと認められれば、無効な離婚届を追認したとみなされ、離婚届が有効になってしまう場合もあります。

※追認があると、離婚は届出の時にさかのぼって有効となり、もはや無効を主張することができなくなります。 ※詐欺、強迫による離婚も、追認をした後は、もはや取り消せません。

■ その他の離婚の方法と手続き

・協議離婚で離婚条件がまとまらない場合
調停離婚の方法と手続きの仕方を解説

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審判離婚の方法と手続きの仕方を解説

・調停・審判でダメなら法廷で争い離婚する場合
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