離婚の前に別居した場合、財産分与にどう影響しますか?
どの時点の財産を基準にして、財産分与をするのかタイミングが変わります。その詳細と、財産分与で損しないための注意点を解説します。

離婚の前に別居したとき、財産分与はどうなるの?

別居した場合、財産分与はどうなる?


離婚のときに問題になってくるのが、財産分与はどうなるのか、という点でしょう。
財産分与は、通常、婚姻期間中に夫婦が築いた共有財産をきっちり半分に分けることになります。


では、別居期間が離婚前にあった場合、別居している間にそれぞれが築いた財産についてはどうなるのでしょうか?


今回は、離婚の前に別居したとき、財産分与はどのように行われるのか、について簡単に解説していきます。
別居や離婚を考えている方は本記事をぜひ参考にしてみてください。


離婚の前に別居したら、財産分与はどうなるの?


別居期間がある場合、その間に夫婦の財産が増減する可能性があります。


そういった場合、どの時点の財産が財産分与の対象になるのか、といった問題があります。別居時か、離婚成立時か、どちらの財産が基準となるのでしょうか?


実は、これには二つの説があります。ひとつは別居した時点での財産を基準に考えるという説、もう一つは離婚したときの財産が基準となるという説です。


別居時説

別居時の財産が財産分与の対象となる、とした場合、別居後に財産が増減していたとしても、それは考慮されません。
ただし、別居時の財産を基準とした場合で子供がいるとき、養育するため財産を使用した側に不公平感が出る、という弊害もあります。


離婚時説

離婚時の財産を基準として財産分与を決める、という場合もあります。


別居時は経済的な協力関係はないのですが、婚姻はまだ続いている、としてその後の財産の増減が財産分与の対象にされる可能性があるのです。


別居時、離婚時、どちらが財産分与の対象となるのかは、ケースバイケースですが、ほとんどの場合は別居時の財産を基準としているようです。


また、別居期間が長くなったからといって財産分与を受けられないということはありませんのでご安心ください。
ただし、別居前に共有財産を明確にしていない場合、別居後に夫婦どちらかが財産を使い込む、という可能性もあります。


別居する前や別居中。財産分与で損しないためにしておくべきこととは?


次に、別居する前や別居中に、財産分与で損しないためにしておくべきことについても確認しておきましょう。


1. 共有財産のリストを作り、財産価値を確認しておく

できれば別居前に共有財産のリストを作り、財産の価値を確認しておきましょう。財産の存在価値を明確にしておかないと、別居中に財産を使い込まれてしまう可能性があります。別居してしまった後では、相手がどういった財産を所有しているのか、を調べるのはかなり難しくなりますから、共有財産のリスト化は同居中に行うのが望ましいと言えるでしょう。


2. 固有財産をリスト化し、明確にしておく

固有財産もリスト化し、明確にしておきましょう。
共有財産に混同してしまうと、夫婦どちらか一方が受け取るべきものを半分に分割することになってしまいます。リスト化は単純な作業ですがとても大切なものです。
財産分与を不平等なく行うためには、まずはどういった財産をふたりが所有しているのか、を明確にする必要があるのです。


3. 財産のうち鑑定が必要なものは、信頼できる業者に価値を算出してもらう

財産のうち、不動産など鑑定が必要なものは、信頼できる業者に価値を算出してもらうようにしましょう。


鑑定が必要な財産は、鑑定する人が誰か、によって価値が変わってきたりするので、心配な場合は弁護士に相談し、信頼できる鑑定師を紹介してもらいましょう。


4. 財産のうち価値が変動するものは、どの時点の価値で財産分与するか弁護士に相談する

財産のうち価値が変動するものは、どの時点の価値で財産分与を決定するのかがとても難しい問題になってきます。


こういったケースは、弁護士などの専門家に相談するのが一番安心です。


弁護士に支払う費用がない、という場合は、法テラスなどを活用してみましょう。所得制限はありますが、無料でアドバイスを受けられる可能性があります。


5. 別居時点で、上の項目について夫婦の合意書を作っておく

別居時点で、財産分与をリスト化し、どのように分けるのかということについて夫婦で合意書を作っておくと、のちのちの揉め事を避けることができます。


合意書の作成方法は、弁護士や行政書士などの専門家に相談するとスムーズに行えます。


財産分与でもめない、後悔しないためには、専門の弁護士に相談しよう!

今回は、離婚前に別居した場合、財産分与がどうなるのか、についてご紹介してきました。
財産分与で後悔しないための肝は、財産のリスト化を事前に行っておくことです。
財産分与で心配な点があるときは、弁護士などの法律の専門家に相談しましょう。


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