離婚をするときに、子供の親権はどうやって決める?
離婚をするとき、子供が未成年の場合は親権はどちらが持つかを決める必要があります。
親権について決定しなければ、離婚することはできません。今回は、親権の決め方について簡単に解説していきます。
離婚をしたいけど、親権は絶対に渡したくない!
と考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
親権決定の流れとは?
まずは、親権はどのような流れで決定されるのかについて、確認をしてみましょう。
1. 最初に両親での協議
まずは、夫婦で話し合いが行われます。
子供の幸せが守られるのは、どちらと暮らすことなのかを考えて、決定する必要があります。
ただし、ふたりで話し合っても合意に至らない場合も少なくありません。そういった場合は、調停を行うことになります。
2. 協議で決定出来ない場合は調停
調停とは、家庭裁判所で、調停委員という第三者を間に入れて話し合いを行う方法です。
調停では、当事者が調停室に交互に入り、調停委員と話しを進めます。
そのため、基本的に当事者同士が直接話し合いすることはありません。
但し、原則は当事者本人の出席が必要です。
もし相手と顔を合わせたくない場合は、夫婦が顔を合わせないように、調停に来る時間や帰る時間をずらしてもらうこともできます。夫婦仲が取り返しのつかないところまできており、相手の顔も見たくないという場合でも、調停であれば顔を合わさずに決着をつけることが可能です。
調停は2〜3回行われ、数ヶ月かかることもあります。
ただし、調停でも合意に至れないケースもあります。
その場合は、審判または裁判になります。
3. 調停が不調に終わったら、審判もしくは裁判
裁判となれば、必ず弁護士を雇う必要がでてきます。
(調停の場合、弁護士を間に入れずに進めることも可能です。)
裁判には、調停とは比べものにならないお金と時間がかかります。
そのため、できれば調停で親権については合意に達しておくことが望ましいのですが、子供の一生を左右することですから、簡単にはまとまらないケースも少なくありません。
親権を決定するにあたって重視される条件とは?
次に、親権を決定するに当たって重視させる条件についても確認していきましょう。
1. 子供の環境がなるべく変化しないこと
子供にとって、離婚によって環境が急激に変わることはストレスになりかねません。
そのため、これまでと同じ生活を維持できる環境を提供できる親の方が、親権獲得においては優位になります。
2. これまで子供の監護へどのぐらい関わっているか
これまでまったく育児に関わってきていないのに、離婚となったとたんに「自分が育てます」と言い始めたとしても、まったく信用できません。
親権の決定には、これまでの育児への姿勢が関わってきます。
ずっと子供と一緒にいて育ててきた人と、仕事ばかりしていて子育てにはまったく関わってきていない人、どちらが親としてふさわしいかは一目瞭然でしょう。
ですから、親権がほしいと思うなら、離婚前から育児への参加は積極的におこなっておくべきなのです。
3. 今後の子供の養育を助けてくれる人がいるか
ワンオペ育児は大変です。
子育てはひとりでするものではなく、ふたり以上でするものです。
そのため、周囲に誰ひとり助けてくれる人がいない人より、たくさんいる人の方が、子供にとっては幸せなことだとみなされます。
親権をとりたいなら、親や家族、友達など、養育を助けてくれる人を探しておく必要があります。
4. 兄弟(姉妹)が離れることがないか
兄弟(姉妹)がいる場合、なるべく離れずに育てる方が望ましいと考えられます。
兄弟(姉妹)は成長において結びつきが強いため、それを引き離すことは子供にとって大きな負担となると考えられているのです。
そのため、兄弟全員を引き取ることができる、余裕がある方が親としてふさわしいと判断されるケースもあります。
5. 十分な収入はあるか
十分な収入があるかも、もちろん大切です。
ただし、だからといって専業主婦(夫)に親権がとれないというわけではありません。
むしろ専業主婦(夫)の方が、子供と接する時間が多かったということで親権がとれる確率は高いと言えます。とはいえ、無収入で資産や預貯金がまったくない、というのは厳しい状況です。
子供に十分な教育を与えることができると実証できるくらいの収入はあった方が有利です。
ですから、家事労働をメインにおこなってきており、現金収入がない場合は、親権獲得のためになんらかの仕事についておくことが望ましいと言えます。
6. 子供と過ごす時間はあるか
十分に子供と過ごす時間がとれるかも大切です。
ワーカホリックでまったく子供と接する時間がない、という要素は、親権獲得においては不利に働きます。
7. 子供の意思はどうか
もちろん、子供本人にもどちらの親と暮らしたいかというのは重要です。15歳以上であれば、子供の意見や意思はかなり尊重されます。
但し、子供の意思が必ず反映されるわけではありません。
例えば、子供が父親と暮らしたいと主張しても、父親に監護できる見込みがなったり、兄弟が別々になってしまうなど、子供の利益が損なわれる要素が多い場合は難しいでしょう。
8. 心身ともに健康か
子供を観護していく親権者には、心身ともに健康であるかどうかも大事になってきます。
病気がちだったり、精神が不安定であったりすると、子供を健康に育てることは難しい、と判断されます。
経済的な余力の他に健康状態も大事なのです。
まとめ
親権は、子供の衣食住を用意して教育を受けさせることができる権利です。
親権を持つための意欲、そして子供にとって必要な愛情の有無も、見定められています。子供にとって幸せなのはどちらなのかを、しっかり話し合いできると良いでしょう。
》親権者が、元配偶者と子供との面会を拒否することができますか?
》離婚して親権を持っていない場合、子供と面会する回数や場所はどうなりますか?
》協議離婚する時、一番重要になるのは何ですか?
》協議離婚で話がまとまりません。どうしたらいいですか?
》別居時や離婚後、子供が連れ去られたら取り戻すことはできますか?